中銀香港(BOC香港）2収益力向上、堅実な成長

このほど発表された２００６年通期決算では、売上高こそ前年比５３．８４％増の４０２．７億香港ドルと大幅増を達成したものの、純利益は同３．０２％増の１４０．０７億香港ドルと小幅な伸びにとどまっている。

これは、０５年通期決算時には２６億香港ドルであった貸倒引当金の戻し入れ額が０６年は１７．９億香港ドルまで減少したためで、景気の回復を背景に融資額に対する貸し倒れの見積もりが引き下げられてきていることを反映している。

また、０６年は収益率の高い中小企業向け、本土向けの融資額の比率が高まったことで純利息収入が全年比２１％増となったほか、証券仲介業務、富裕層向けのプライベートバンク業務も好調、同２６％増と非利息部門の収益も高い伸びを示した。

同社は、親会社である中国銀行による私有化がウワサされているが、大福証券では短期的には現実の可能性が低いとみている。

０７年も貸倒引当金の設定水準が低く抑えられるとみられることから、予想純利益は０６年比で微増の１４１．３７億香港ドル、目標価格は０７年予想ＰＥＲ （株価収益率）１４．５倍から計算した２０香港ドルとし、現価格は適正水準の範囲内にある、としている（２８日終値：１８．８８香港ドル）。（資料提供： 大福証券）